Kamatera、UpCloud、DigitalOcean、Vultrの四社は、一定期間サーバーを無料で動かせるトライアルを用意しています。一見どれも似ていますが、トライアルが役に立つかどうかを左右する3つの点で違いがあります。もらえるクレジットの額、使える期間、そして最初のサーバーを起動する前に何を提出する必要があるか、です。
要点をまとめると、クレジットが最も多いのはUpCloud(30日間で$500)、期間が最も長いのはDigitalOcean(60日間で$200)、Vultrはその中間(最長30日間で$250)、Kamateraは最大$100相当のサーバー1台を30日間使えます。以下では各社の公式ページの説明に沿ってそれぞれのオファーを確認し、どのトライアルがどんなテストに向いているかを見ていきます。
四つのトライアルを並べて比較
| プロバイダー | 無料クレジット | 利用期間 | 事前に知っておくこと |
|---|---|---|---|
| Kamatera | 最大$100相当のクラウドサービス | 30日間 | サーバー1台、有効なクレジットカードが必要 |
| UpCloud | $500分のクレジット | 最初の30日間 | ヨーロッパ向けサイトでは€500と表示 |
| DigitalOcean | $200分のクレジット | 最初の60日間 | 新規アカウントのみ |
| Vultr | $250分のクレジット | 最長30日間 | デプロイ前に請求情報の登録が必要 |
金額が大きいほど良いトライアルとは限りません。期限までに使い切れないクレジットには価値がないため、期間は金額と同じくらい重要です。スクリプトやウェブサイトを試すための小さなサーバーが1台あればよいなら、どのオファーでも十分すぎるほどです。複数のマシンを使う重めの構成を試したい場合は、クレジットの額が効いてきます。
UpCloud:最初の30日間で$500
UpCloudは、MaxIOPSストレージと時間単位の課金を備えた高速なヨーロッパのクラウドを掲げています。トップページではトライアルを1行で紹介しています。「$500の無料クレジット – 最初の30日間有効。」クレジットはクラウドサーバー、Kubernetes、ストレージに使えるので、マシン1台に限られません。

詳しい内容はUpCloudの$500トライアルのページにまとめています。ヨーロッパ向けサイトでは同じオファーが€500と表示されます。
30日間で$500というのはかなりの余裕です。小規模なクラスターを動かしたり、マネージドKubernetesを試したり、UpCloudのストレージ上でデータベースがどう動くかを確かめたりしても、上限には届かないでしょう。注意すべきは期限です。30日を過ぎると、使わなかった分はすべて失効します。最初の1週間をドキュメント読みではなく構築に充てられるよう、登録前にテスト計画を立てておきましょう。

UpCloudのトライアルを始める手順
- UpCloudのトップページを開き、$500・30日間のトライアルオファーを確認します。
- メールアドレスでアカウントを作成し、無料トライアルを開始します。
- プランを選び、30日以内にサーバー、Kubernetes、ストレージでクレジットを使います。

プロダクトを開発中なら、UpCloudにはスタートアップ向けの別プログラムもあり、最大$3,000のクレジットが用意されています。こちらは申請と承認が必要で、金額はUpCloudの審査によって決まります。新規アカウント向けの$500トライアルとは別のオファーです。
DigitalOcean:最初の60日間で$200
DigitalOceanは開発者向けのクラウドで、Droplets(同社での仮想サーバーの呼び名)、マネージドKubernetes、データベース、GPU Dropletsを提供しています。新規アカウントには最初の60日間使える$200のクレジットが付与されます。オファーを掲載しているコミュニティページには、はっきりこう書かれています。「登録すると、DigitalOceanで最初の60日間に使える$200のクレジットがもらえます。」

四つの中で最も期間が長いトライアルです。60日間あれば、実際に何かを動かし、数週間にわたって様子を見て、どこで問題が起きるかを確認できます。そのため、「これをインストールできるか」ではなく「自分が手をかけなくても動き続けるか」を知りたいときにDigitalOceanは良い選択です。個人のサイドプロジェクト、小さなAPI、ウェブサイトのステージング環境などがここに当てはまります。
DigitalOceanの$200を受け取る手順
- DigitalOceanのコミュニティページにある登録オファーを開きます。
- 新しいアカウントを作成します。クレジットは新規アカウント限定です。
- ダッシュボードからDropletsなどのリソースを作成します。最初の60日間を過ぎると、残ったクレジットは使えなくなります。

Vultr:最長30日間で$250
Vultrは世界各地の多くのリージョンでクラウドコンピューティングを提供しています。プロモーションページでは新規アカウント向けに$250の無料クレジットを提供しており、見出しは「$250の無料クレジットでVultrを無料で試そう!」です。Vultrのドキュメントによると、トライアルクレジットの有効期間は最長30日間です。

このトライアルには押さえておきたい点が2つあります。まず、デプロイする前に請求情報を登録する必要があるので、支払い方法を用意しておきましょう。次に、プロモーションページにはすべての適用条件が載っているわけではないため、このページから作成した新規アカウント向けのオファーと考え、登録後に残高を確認してください。
Vultrのクレジットを受け取る手順
- Vultrの$250プロモーションページを開きます。
- メールアドレスとパスワードでアカウントを作成します。
- 支払い方法を追加して、クレジットの受け取りとサーバーのデプロイができる状態にします。
- サーバーをデプロイし、期限が切れる前にクレジットを使います。

資金調達済みのスタートアップには、Vultrでもより大きな選択肢があります。最大$100KのクレジットがもらえるDigital Start-up Programです。対象は最近シリーズAからEの資金調達を行い、6か月分のクラウドの請求書を提出できる企業に限られるため、個人向けのトライアルではありません。
Kamatera:最大$100相当のサーバー1台を30日間
Kamateraは時間単位または月単位の課金でクラウドサーバーを提供しています。無料トライアルのページにはこうあります。「30日間の無料トライアルに登録すると、最大$100相当のクラウドサービスを受けられます。」実際には、最大$100相当のクラウドサーバー1台に、1 TBのブロックストレージと1 TBの通信量が付きます。

Kamateraのトライアルは四つの中でクレジットが最も少なく、サーバー1台に限られます。それでも、動かしたいものがすでに決まっていて性能だけを確かめたい場合には役に立ちます。Kamateraではサーバーのリソースを自分で選べるので、トライアル用のマシンを、後で実際に契約する構成に近づけられます。条件はKamateraの30日間無料トライアルのページに載せています。
Kamateraのトライアルを始める手順
- Kamateraの無料トライアルページを開きます。
- アカウントを作成します。トライアルの開始には有効なクレジットカードが必要です。
- $100の上限に収まるサーバーを1台作成し、30日間で最大1 TBのブロックストレージと1 TBの通信量を使います。
どのテストにどのトライアルが合うか
どれを選ぶべきかは、プロバイダーよりも、トライアル期間中に何を確かめたいかで決まります。
- 大きめの構成を短期間で試したい場合。UpCloudの$500なら、30日以内に複数のサーバー、Kubernetes、ストレージの検証をまかなえます。
- 安定して動くかを確かめたい場合。DigitalOceanの60日間なら、2か月分の実際の稼働状況を観察できます。
- 予算に余裕のあるテストサーバーが1台ほしい場合。Vultrの最長30日間で$250は、マシン1〜2台には十分です。
- 必要なものが明確で、サイズを正確に合わせたい場合。最大$100相当のKamateraのトライアルサーバー1台で、1つの構成を30日間テストできます。
複数のトライアルを使っても問題ありません。どのオファーもそのプロバイダーの新規アカウントが対象なので、同じ月に2つのクラウドで同じワークロードを比べ、使いやすかった方を残すこともできます。自分のアプリケーションそのものを測れるため、ネットで読むどのベンチマークよりも役に立つことがよくあります。
無料サーバートライアルを最大限に活かすには
無料クレジットは無駄にしやすいものです。いくつかの習慣を身につけるだけで、何かがわかるトライアルになるか、何をインストールするか迷っているうちに終わってしまうかが分かれます。
- 先にテスト計画を書く。動かしたいものと、「十分」と言える基準を書き出します。応答時間、メモリ使用量、バックアップにかかる時間などです。
- 小さく始めて広げる。小さなサーバーなら、構成が動くかどうかがすぐにわかります。大きなプランに移るのは理由ができてからにしましょう。
- カレンダーにリマインダーを入れる。クレジットが切れる数日前に設定しておけば、サーバーを残すか、移すか、削除するかを落ち着いて決められます。
- 構成のコピーを残す。セットアップ手順やスクリプトを保存しておけば、後で別のプロバイダーに移るときも、午後いっぱいではなく数分で済みます。
よくある失敗
- サーバーが動き続けることを忘れる。クレジットが終わっても、起動中のサーバーは登録した支払い方法で課金され続けます。トライアル終了前に不要なものは削除しましょう。
- 既存のアカウントで登録する。これらのオファーは新規アカウント向けです。何年も前に作ったアカウントにはクレジットが付きません。
- トライアルとスタートアップ向けプログラムを混同する。UpCloudの最大$3,000とVultrの最大$100Kは、申請と承認が必要です。登録時のトライアルとは別物です。
- テストを最後の週まで先延ばしにする。UpCloud、Vultr、Kamateraの期間は30日間です。始めるのが遅れると、クレジットの大半が使われないまま終わります。
これらのオファーは各プロバイダーの公式ページと照らし合わせて確認しており、変更があればディールページを更新しています。最新の内容はUpCloud、DigitalOcean、Vultr、Kamateraの各ページでご確認ください。




